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“ハレの日パーク”

ハレの日マーク

先日のNHKの「クローズアップ現代」で取り上げられていたアニマルエウルフェア

この言葉聞き慣れない方もおられるかと思います。

家畜にとってストレスや苦痛の少ない飼育環境を目指そうというもの。

今、この考え方が世界的に広まりつつあり、日本にも黒船のようにやって来ているといいます。

 

さらにESG投資でも、アニマルエウルフェアは注目されています。

ESG投資家にとって大事なことは、投資する企業が持続可能かどうかということ。時間をかけ成長していく企業への投資をすることで将来にわたり利益を得るという考え方です。そのためには、投資先の企業は、時代に則し、先見性があり、危機管理能力に長けていることが求められるということなのです

アニマルエウルフェアに取り組まなければ、企業は評判を落とし、市場を失うことになるかもしれないため、リスクマネージメントの問題として捉えているのです。

これからの投資は持続可能がキーワードで、投資家の目線で持続可能な企業とは、これまでのやり方を変えていく企業ということになりつつあります。

 

その影響もあるのでしょう。アメリカでは、マクドナルド、スターバックス、コストコ、ウォルマートと大企業がアニマルエウルフェアを意識し、ストレスのない環境下で飼育されているケージフリーの鶏卵を扱うと宣言したといいます。

この影響が日本にもやってきそうということなのです。私たちの食生活にとって欠かせない卵。

日本での卵の生産の主流はバタリーケージといって、鶏が狭いスペースで餌を食べ、卵を産むシステムです。テレビなどでよく観るあれです。1羽あたりのスペースは20cm四方で、少ない面積で多くの鶏を飼育し卵を生産します。運動量も少ないのでエサ代も少なくてすみます。また、ゲージの特徴として、鶏のふんと卵が触れる事がないので消費者にとって衛生的な卵を食べらるということ。

この環境は生産者である人間であり、養鶏場の経営者にとって効率がいいのですが、鶏にとってはストレスでしかないということです。アニマルエウルフェアでは、せめて生きている間の動物はストレスなく劣悪ではない環境で生かせてあげるべきという考えに基づいています。

そこで、鶏にとって、ストレスのない状況にするということ、すなわち放し飼いにするということなのです。

EUでは2012年から従来型のケージでの鶏の飼育を禁止。既にアニマルエウルフェアは社会に根付いているといいます。この流れはアメリカへも流れ、カリフォリニア州では住民投票の結果、2022年1月からケージでの鶏の飼育ができなくなりました。

スーパーでは、ケージフリーの卵だけを扱うところもあり、当然価格は高いのですが徐々に人々に受け入れられているといいます。

アジアでもタイでは大手食品メーカーがケージフリーに切り替え、韓国も1羽当たりのスペースを法律で決めたとのこと。

 

我が国の場合、高温多湿で、鶏が病気にかかりやすく課題も多いのが現実です。実際ルールにされては困るという生産者もいるとレポートされていました。

スペースのコストやケージ内の掃除にかかわる手間と人件費、そしてエサ代とコストが従来型よりも数倍かかると言われています。そのコストを消費者が購入する卵の価格に直結できるのか・・・という問題が発生します。

 

現在、世界では、”アニマルウエルフェアの世界基準”の制定に向かっているといいます。世界の93%の国と地域が加盟していて、日本も加盟しているので日本だけが基準に従わないのは難しいとのこと。

となると、この流れは必ずやってきます。

卵の価格は”物価の優等生”でしたが、これから数年たつと、ケージフリーの卵が当たり前となり、価格も今の数倍になっているのかもしれません。

 

アニマルエウルフェアとは

アニマルウェルフェアについて:農林水産省 (maff.go.jp)

 

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