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“ハレの日パーク”

ハレの日マーク

12月8日、NHK総合で放送された「映像の世紀 バタフライエフェクト『アメリカ 日系人部隊 栄光の代償』」を見終えたあと、しばらく言葉を失った。84年前の同日、日米は戦争に突入し、数え切れない命と人生が引き裂かれた。私は画面を見つめながら、何度も胸が詰まり涙が頬を伝わった。戦争は、理由のいかんを問わず、決してしてはならない―改めてその思いが強くした。とはいえ何が出来る訳ではないがこのドキュメンタリーについて感じたことを書いておきたい。

第二次世界大戦当時、アメリカにはすでに多くの日本人移民とその子どもたちが暮らしていた。開戦と同時に、日系人は突如「敵性外国人」とされ、西海岸を中心に約13万人が財産や自由を奪われ、砂漠地帯の強制収容所へ送られた。一方で、日系人の人口比率が高かったハワイでは、社会機能維持のため大規模な強制収容は行われなかった。この差は、戦時下の「正義」がどれほど恣意的であったかを物語っている。

さらに収容所では、残酷な思想調査が実施される。「アメリカへの忠誠を誓い、日本の天皇への忠誠を放棄するか」。二世の多くは「YES」と答えたが、日本で生まれ日本国籍を持つ一世にとって、この問いはあまりに過酷だった。親が「NO」と答えるなら子も「YES」とは言えられない。こうして家庭内分断も生まれたという。そして「NO」と答えた者たちは、さらに厳しい収容所へ送られていった。

その絶望の只中で、アメリカ政府は日系人志願兵の募集を開始する。忠誠を証明するほぼ唯一の手段として、若者たちは名乗りを上げた。こうして結成されたのが日系人のみで構成された第442連隊戦闘団である。彼らのモットーは「Go for Broke(当たって砕けろ)」。それは覚悟というより、アメリカへの忠誠の証しと自らの存在証明そのものだった。

442部隊は、イタリア戦線、フランス戦線、ドイツ戦線と、常に最も危険な前線へ投入された。「突破困難」とされた場所に命じられるのは、いつも彼らだった。なかでも有名なのが、1944年10月、フランス・ヴォージュ山脈での「失われた大隊」救出作戦である。ドイツ軍に包囲されたテキサス州兵第141連隊第1大隊。救出に幾度となく失敗し、不可能と見なされていた。そこに442部隊が投入されたのだった。

濃霧と豪雨、地雷原と機関銃掃射。4日間に及ぶ激戦の末、442部隊はついに211名の米兵を救出する。しかし、その代償はあまりに大きく、800名以上の死傷者を出したと伝えられている。救出されたテキサス兵たちは、当初「ジャップに助けられたのか」という戸惑いを隠さなかったが、やがて深い尊敬と感謝へと変わっていった。「あんな戦い方をする部隊を、これまで見たことがない」。彼らの証言に、442部隊の異様なまでの献身性が刻まれている。

442部隊は、戦争を通じて通算約14,000人が従軍し、9,000件を超える戦傷記録を残し、600名以上が戦死したとも言われる。彼らが受けた勲章は、アメリカ陸軍史上でも群を抜いて多い。21名の名誉勲章受章者を含め、数え切れないほどの栄誉が与えられた。ハリー・トルーマン大統領は終戦後、彼らを前にこう語ったという。「君たちは敵と戦っただけでなく、偏見とも戦い、勝った」。

だが、彼らが帰還した祖国は、本当に彼らを「英雄」として迎え入れたのだろうか。部隊の多くは、復員後も差別と沈黙の中に置かれた。強制収容の記憶は語られず、戦場での功績も、長く歴史の陰に埋もれたままだった。

転機が訪れたのは、戦後40年以上が経過した1988年。レーガン大統領は、日系人強制収容を「国家の過ち」であったと公式に認め、謝罪と補償を行った。番組の最後で語られたダニエル・イノウエ元上院議員の言葉――「誤りを認めることのできる国家に、私は希望を見る」――は、歴史の重さと同時に、未来への責任を私たちに突きつけていた。

442部隊の物語は、単なる「勇敢な英雄譚」ではない。そこには、忠誠を示さねばアメリカ人として認められなかった若者たちの現実がある。命を賭けて戦場を走り抜けた彼らの背後には、差別、分断、沈黙、そして取り戻されるまでに半世紀を要した名誉があった。

戦争は、いつの時代も若者を最前線へ追い立てる。そして勇ましい言葉を口にする者ほど、戦場に立つことはない。442部隊の栄光の裏にある「代償」を、私たちは決して忘れてはならない。それを語り継ぐことこそが、戦争を二度と繰り返さないための、静かで確かな抵抗なのだと思う。

※写真は実在の写真ではなく、記事内容をもとにAIで生成したイメージビジュアルです。

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